点と点を結べば線になる、線と線を結べば面になる
最近、多くの観光地で取り組んでいる事の一つに「広域連携」があります。
「点と点を結べば線になる、線と線を結べば面になる」
一つの観光地だけでは、所詮は小さな点の力しかない、しかし集まれば大きな魅力を発揮する。
このような言葉の元で、複数の観光地が連携をして広域を周遊するルートを作成して売りだしています。
理屈の上ではわかってはいます。
しかし広域連携での観光作りいざやってみると、なかなか上手く行かないものです。
何となく薄く広く繋げただけで魅力が薄い「広域連携」
実際に広域連携での観光作りをやってみると、一つの事に向かってみんなで一致団結するという事が出来ないものです。
最初はみんなで集まってグループワークを行い、観光ルートを作っていく。
その中で、外部から来た企画屋やコンサルタントの先生が入って仕切っていく。
しかし時が経つにつれていつの間にか自然消滅していくという事が起こりがちです。
ではこれは何故起こるのか。
やってみると、広域連携で観光ルートを作ったものの、「何となく薄く広く繋げただけで魅力が薄い」という感じになる事が多いのです。
打ち出してみたものの、それを魅力に感じて観光客が増えるという結果が付いて来ない。
そうするとやっている本人たちのモチベーションも続かない。
そもそも、やっている本人たちも「何となく薄く広く繋げただけで魅力が薄い」という事を感じていた。
この様な循環の中で自然消滅が起こります。
この状態を、企画屋やコンサルタントから言わせると、「全体を繋ぐコンセプトが弱い(無い)からだ」という事になります。
正論で考えるとその通りなのですが、現実的には「強いコンセプト」を創りだして強力に連携していくという事は大変に困難な事です。
ではどうすれば良いのでしょうか。
連携により強くなるのではない
個々では魅力が薄かったものの、強いコンセプトを打ち出して連携をして成功している地域もあります。
黒川温泉は成功事例の一つかと思われます。
しかし多くの地域を見渡すと、連携が成功している所は必ず「個々の力が強い」という事に気が付きます。
何となく「面」で売り出しているのではなく、「○○に行きたい」という1つのキラーコンテンツがあります。
そして強い者同士が自然に繋がり、より強い広域観光が実現している事が多いのです。
「連携により強くなった地域」と「個々のスポットが努力により強くなり連携が起こった」
どちらの成功事例が多いのかというと、圧倒的に後者の方が事例が多いのです。
前者の場合も、連携の目的がはっきりとしている為、そこへ向けて個々が努力をして強くなったという事例が殆どです。
「個」が力を発揮する事が広域連携への最短ルート
そもそも自分達の「個」が強くないと、他の方々を巻き込んでいく事は難しいのです。
個が弱い中でみんなで連携をすると「弱者連合」になってしまいます。
そうならない為にはまずそれぞれの地域が「個」を際立たせる。
そこにフォーカスをしてから連携をした方が、回り道のようですが近道になります。
個を際立たせる方法として、「USP」という手法があります。
U=ユニーク(独自な)・S=セリング(売り)・P=プロポジション(提案)、合わせると「独自な売りの提案」という意味の用語です。
私は、圧倒的差別化の手法!『USP』セミナーで、その方法を地域や施設へ導入しています。
そうすると皆様が素晴らしい個性を発揮される姿に、私自身が毎回驚かされます。
「強い点と強い点が結びつき線になる、強い線同士が結びつき、強くて大きな点が出来る」
これが私の持論でもあります。