「労働生産性」という言葉をよく聞くようになりました。
特にサービス業での労働生産性が、
他の業種と比較して低い事が問題になっています。
宿泊業界でも同じ事が言われていて、
労働生産性を上げる研修というのが盛んになってきました。
研修内容は作業効率を上げるという事に特化したものが多いです。
製造業での作業効率向上をモデルとして、
作業効率を上げる為の導線作りや仕組み作りが主な内容です。
ここで私は疑問に思う事があります。
それは労働生産性が作業者の作業時間に対しての生み出した利益
で語られているからです。
そういった形で計算をした時に、
労働に対する利益(生産性)が低い事が課題になっている。
だからもっと生産効率を上げる為に作業効率を上げていく。
しかし本質的な問題は「作業効率」ではなく「付加価値額」
であると考えています。
例として同じような業態のビジネスホテルで比較します。
先日東京で泊まったホテル。
ここの1泊の価格は15,000円でした。
ごく普通のビジネスホテルだけど、
この日は繁忙日の為に価格が高くなっていたのです。
そこで作業をしているフロントスタッフは2名。
他のビジネスホテルとそう変わりはない作業をしています。
同じような岡山県のビジネスホテルならば、
おそらく7,000円程度の価格です。
そしてスタッフ人数も同程度だと思います。
この2件のホテルでの労働生産性を考えると、
作業者の作業時間に対しての生み出した利益は
2倍程度の差が出る可能性があります。
つまり労働生産性は売値・利益に左右されるという事です。
宿泊業・飲食業等のサービス業の本質的課題は、
もっと高い価値が認められるような取組をいかに創り出すのか。
その為にも独自のウリを開発していく事は
真剣に取組むべき本質的課題の一つとなります。