『お客様を迷わせると購買率が上がる!?「迷いの質の問題」
今回はちょっと長編です。
そして非常に分かりにくい内容かもしれません。
いや、あえて分かりにくい位に専門的。
しかし宿泊業界にいる方ならピンとくるかも!?
(ここでこの記事を読むor読まないのふるいにかけます)
インターネット業界での常識として
「お客様を迷わせるとページ離脱率が上がる」
と言われています。
少しでも迷うとそのままページを去っていく。
だから選択肢も3択程度で少なく、
文字数も少なくシンプルにと言われています。
一方、私のいる宿泊業界では、
「宿泊予約プランが多くなると予約数が増える」
というデータが出ています。
およそ15〜20の選択肢が推奨されています。
私自身も、じゃらんnet・楽天トラベルをはじめ、
自社HPの予約プランでも同様の傾向を体感しています。
この矛盾した現象をどう捉えれば良いのでしょうか。
これはお客様の
「迷いの質」に関係した問題です。
お客様が購買行動を起こす時のパターンとして、
「AIDA」の流れがあります。
A=Attention(注意)
I=Interest(関心)
D=desire(欲求)
A=Action(行動)
上記の流れで購買行動が行われるという、
広告業界では古典ともいえる程の定番法則です。
この流れの中でどの部分で「迷い」が生じているのか。
それによって異なる現象がおこります。
「A:注意」「I:関心」段階では
まだ購入したいという思いは起きていません。
例えば・・・
たまたまネットでの検索結果を見た場合。
バーナー広告を見た場合。
ホームページにたどり着き読み始めた場合。
こういった時が「A:注意」「I:関心」段階です。
ここでの迷いは離脱率を高めてしまいます。
ちょっとでも自分に関係が無いと思うと
すぐに去っていきます。
ところが「D:欲求」段階にさしかかると、
これまでと逆の現象がおきます。
例えば・・・
お店の売り場を歩いています。
そして自分の欲しい物のコーナーが見つかった。
そこで「もう欲しい!買いたい!」と思った。
その時に色やサイズやちょっとした形の違いを見始めた。
この時に選択肢が少ないと買うor去るの即決。
複数の選択肢があるとじっくり見て選ぶ。
このような経験はありませんでしょうか?
これと同じ現象が「宿泊予約プラン」の数が増えると、
予約数が増えていくという現象です。
ただし、選択肢の中での「違い」は
一目で分かるようにする必要があります。
また別の例ですが、
ネットで単品を売る購入サイトなどのランディングページ。
ここでは商品は単一なのですが情報は非常に多いです。
「A:注意」「I:関心」段階のキャッチコピーはシンプル。
しかし「D:欲求」段階であるページの下の方は、
情報量も多くなり非常に丁寧に一つひとつ説明をしています。
「D:欲求」までたどり着いたお客様は、
ある程度の選択肢の中から選ぶ事で安心感を得ます。
そして最後に「A:行動」段階。
ここでは迷いを生じさせてはいけません。
どうやって購入すれば良いのか。
どこに購入ボタンがあるのか。
購入までの行程数。
これらは出来るだけシンプルにする必要があります。
以上見てきたように「お客様の迷いの質」が、
A=Attention(注意)
I=Interest(関心)
D=desire(欲求)
A=Action(行動)
上記のどの段階にあるかによって
選択肢を「増やす」or「減らす」
の設計が必要なのです。