宿や飲食店を売る時に、料理写真の良し悪しはとても重要なポイントです。料理写真を撮影する時は、斜め上からの確度で、料理をアップで撮影するのがセオリーとなっています。
そうすることでシズル感を伝えたり、臨場感や迫力が伝わり「美味しそう!」と感じさせる事が出来ます。
ではなぜこの様な写真であると「美味しそう!」と感じるのでしょうか。
ここには人間の目線と脳の認識が関係あるように思えます。
目の前に美味しそうな料理が並んでいます。
それを自分の目線で見た時、たしかに「美味しそう」と感じています。
そしてそれをその場でカメラを構えてそのまま撮影する。
すると雰囲気も何も感じられにくい、単に上から見た写真になります。
料理が並んでいて、真上からに近い構図。
確かに現実ではこのような状態です。
美味しそうに見える料理という現実は変わっていなく、目の前に広がっている光景も変わりありません。
しかしなぜか写真で見ると美味しそうには見えません。
実は、目の前に並んでいる料理に対して、脳が構図を切り取って色補正をしている。
それを「美味しそう」と感じるのです。
①角度を考えてみると、目の前で自分の手が届く状態、つまり最も食べやすい状態。
ちょうど自分の胸の高さあたりで、距離は30~40cm位でしょう。
その時の目線が、斜め45度上から見た角度位になります。
②料理を真正面から見た構図よりも、やや斜めに向けた方が美味しくみえるという謎。
人間は物体を立体として認識しています。
仮説ですが、やや斜めに向ける事でこの立体認識を生み出すのではと考えています。
③そして人間の脳は、見えている構図の中から見たいものを切り取ってフォーカスします。
これが写真でいうと、アップで撮影したような感じで認識しています。
さらに目のピントも料理に合っていて、他の物は認識していません。
以上①~③を擬似的に作り出したものが、美味しそうに見える料理写真のセオリーではないかと考えています。
●ここまでを前提とした上で、一つの仮説が出来てきます。
男性から見た目線よりも、女性から見た目線の方が平均的に低いはず。
そうすると斜め上からという角度も、女性の方が低いはずです。
という事は女性ターゲットの料理写真と男性ターゲットの料理写真では、斜め上からという角度を変える方が効果的ではないのか。
例えば男性が45度上から見た構図とするならば、女性は40度上から見た構図がというように、角度を変えた方が良いのでは。
そんな仮説が生まれてきました。
実際それだけの事で効果が変わるのかは分かりませんが、今後の検証事項として試してみたいと思います。