新型コロナウイルスCOVID-19の緊急事態宣言が延長される中、ゴールデンウィークが明けて少し人々が動き出してきた感覚がある。
これまでは5月7日まではと不要不急の外出を控えていた人たちも、持久戦になる覚悟と感染者の減少で動き出そうという気概になってきたようだ。
そんな中、依然として観光業界は厳しい状態が続いているでしょう。
私自身は主に地方の観光地や宿泊施設の誘客アドバイザーとして活動してきた。その中でこれほど無力感を感じた事が無いというほど、これまでのやり方が通用しなかった。
また平行して国の事業で、観光業だけでなく全業種に対して国からの支援策を指導してきた。
経済産業大臣政務官へ、テレビ会議を通じて旅館・ホテルの現状を伝え助成金制度をもっと使いやすくなるよう、要望を伝える機会を頂いた。
ほとんど2・3日ごとに国の支援策が改定され、その度に覚え直してきた。
例えば雇用調整助成金も、補助率がどんどんアップし9割まで上がった。そしてさらなる話も伝え聞いている。申請方法も4月末時点では社労士にとっても面倒なものであったが、5月の初旬頃には大幅に緩和された。一度申請をして却下された支援策も、数日後には状況が変わっているという事態が大いにありえる。
そんな中で適切に戦術を立てるためにも、この混乱期を「コロナ冬眠・ウィズコロナ期・アフターコロナ期」の3つに分けて考える事を勧めたい。
コロナ冬眠でとるべき戦術はとにかく耐える事。
ある施設では新型コロナ発生の初期段階である2月頃から営業0日の場合は経営状態がどうなるのかを検討した。これを検討するまでは営業をしない場合の維持費がどの位かかるのかという、0ベースでの基礎代謝が分からなかった。それをどこまで抑えられるのかが次の検討材料になる。
そこから週に1日営業する場合、2日営業する場合と増やしていき、経費と売上を算出していった。また、資金調達と国の経営支援制度を活用する事も、敬遠存続のために重要事項であった。とくに支援制度は、前記したように日々変わっていく。その時には支援対象外であった策も次の週には対象となる事もありえる。
ここは細かな情報収集と早い対応が勝負となる。情報源も重要で、特に経済産業省のサイトは毎日チェックをしていく事を勧めたい。発表される資料に日付と時間まで記載されるほど細かく更新されている。
ウィズコロナ期として営業を再開していく場合にも、行政からの自粛要請がある中で情報を正確にとらえる必要がある。例えば「接客を伴う飲食店」の営業自粛。これは風俗営業法が必要な飲食店に関する事であり、カウンター越しの接客をするバーや居酒屋の事は指していない。こうした行政用語を正確にとらえて、出来る部分から営業を再開していく必要がある。
世の中に広まる情報はマスコミ・SNSからの情報が多い。その情報は玉石混交である。
あたかも一切の営業をしてはいけないかのような風潮が広まり、中には間違った正義感からか、適切に対策をとって営業をしている店舗に対して、壊したり不要な張り紙をするなどの嫌がらせを行う者も出た。
これも捻じ曲がった情報が広まった事が要因の一つとも言える。
情報を捉えて、支援制度を使いこなす事が難しいと感じる場合、国が運営する経営支援機関で各県に「よろず支援拠点」がある。
相談無料であり遠方でも電話相談が可能である。週一回相談するくらい活用しつくしていき、素早く行動する事が重要だと感じる。