アドバイザーやコンサルタントの仕事は、クライアントに成果を出してもらう事です。
その為に日々、色々な知見を高め、また現場で学んだ成功を他のクライアントに応用したりしています。それでもクライアントに成果が出る場合、なかなか出ない場合があります。
では成果を出せるアドバイザーになる為には、どの様な事が大切なのでしょうか。
成果を出す為に大切な事は多々有ります。
例えば、小手先の問題だけでなく根本的な真因に着目し、最適なアドバイスをする事だと言われています。また、主観的な見方だけでなく客観的な事実に基いて、打ち手を考案する事も大切です。
他にも、部分的な問題だけでなく、全体最適化を行う事も大切です。
大切だと言われている事は多々ありますし、どれもコンサルティングスキルとしては欠かせない事です。しかしもっと大切な事があるのです。
成果はなぜ生まれるのか。それはクライアントが行動をするからです。
どんなに良いアドバイスがあっても、クライアントに行動してもらわないと成果は出ません。
私達はコンサルティングスキルとは別に、クライアントに行動してもらうスキルが必要になってきます。
クライアントに行動してもらう為に、私はこんな事を大切にしています。
客観的な事実に基づき、全体最適化を図る事は前提にはあります。そこから、まずは問題を問題として認識して頂く事から始めます。問題として認識して頂けるからこそ、これを治したいという動機が生まれます。
そして次に、そのクライアント自身が持っている欲求や在りたい姿に着目します。この方はどの様な自分でありたいのか、何をやりたくて何をやりたくないのか。
一般的に見て成功であっても、在りたくない姿に導こうとすると必ず抵抗が生まれます。一言でいうと、クライアントの人格を最大限尊重してあげる事です。
ここから具体案の提案にかかってきます。
まずクライアントの過去の成功パターンや乗り越えパターンを探ります。過去にどの様な事で困難に乗り越えてきたのか、どんな事で成功してきたのかを探ります。この乗り越えパターンに合う提案だと、クライアントも受け入れやすいはずです。
そして優先順位をつけます。
これらの工程を経た上で、「あえて小手先のテクニック」から優先して入ります。
例えば、あるクライアントは毎月200万円の利益を作らないといけないという課題がありました。しかし初回はあえて、10万円の利益を生む、なおかつクライアントが得意そうな事を提示しました。
課題から見たら物足りないのですが、10万円の利益という事を実行出来ないと、200万円の利益を生む行動は出来ないままになるからです。逆に小さな成果を感じると、次の打ち手もやる気になるものです。
人間は「やる気になれば出来る」のではなく、「出来るからやる気になる」ものです。その為に、すぐに出来そうな事から提示するのです。
「こっちは良い提案をしているから、やればいいのに、あのクライアントはやらないんだよな!」という言葉は、アドバイザーとしては言ってはならない言葉です。
クライアントの人格尊重をしたうえでの打ち手の提案が、成果を出すアドバイザーに必要な資質なのです。